2011年07月29日

混合ワクチンについて

今回のトピックは混合ワクチンについてです。

どうしてワクチンが必要なの?

感染すると重篤な症状が出る(場合によっては死亡する)
ウイルスや細菌からペットを守るために、
あらかじめ病気に対する免疫力をつけて病気予防をする、
もしくは症状を軽くするために必要なのです。

いつ打てばいいの?

基本的にワクチンは予防注射なので、健康な時に接種します。
妊娠、授乳、体調不良時は接種できません。
また、副作用が出る可能性がありますので、
一緒にいてあげることのできる日の午前中に接種するのが望ましいです。
接種後2-3日は激しい運動、シャンプーは控えて安静にしてください。

初年度のワクチンは確実に免疫をつけるために複数回(理想は3回)の注射が必要になります。
犬では基本は8週齢(6週齢より接種可能)から4週間間隔で接種して、
最終接種が14週齢を越えるように接種するのが理想的です。
猫でも同様ですが、最終接種が12週齢を越えるように接種します。
14週齢(猫は12週齢)以降に初回接種する場合は4週間間隔を開けて
2回接種します(成犬・成猫も同様)。
初年度以降は免疫を持続させるために年1回の追加接種が必要になります。

注射後、免疫ができるまでの約3週間かかります。
病気の動物に近寄らないようにしてください。

狂犬病ワクチンと混合ワクチンの同時接種は、
副作用の観点から控えた方が良いと考えられます。
当院では、狂犬病ワクチン接種後は2週間、混合ワクチン接種後は4週間あけて、
追加接種しています。

いつまで打てばいいの?

健康で散歩などで外出する機会が多いのであれば、感染のリスクも高くなるので、
高齢であっても接種するのが望ましいです。

どんな病気の予防できるの?


・ジステンパー:発熱、下痢、神経症状など。
 治癒後も神経症状などの後遺症が残る。死亡率高い。
・アデノウイルス2型感染症:肺炎、扁桃腺炎などの呼吸器病。
・伝染性肝炎:肝炎。嘔吐、下痢、食欲不振、角膜の白濁。子犬で突然死。
・パラインフルエンザ:咳、鼻水、扁桃腺炎などの呼吸器病。
・パルボウイルス感染症:腸炎。血下痢、嘔吐。子犬で突然死。
 伝染性が強く死亡率も非常に高い。
・コロナウイルス感染症:腸炎。下痢、嘔吐。
・レプトスピラ病:腎不全、肝不全。歯ぐきの出血、黄疸、高熱、嘔吐、下痢。


・カリシウイルス感染症候群:くしゃみ、鼻水、発熱、口腔内潰瘍。急性肺炎で死亡することも。
・ウイルス性鼻気管炎:くしゃみ、鼻水、咳などの呼吸器症状、結膜炎。
・汎白血球減少症:白血球減少。高熱、嘔吐、下痢。死亡率高い。
・クラミジア病:結膜炎、鼻水、くしゃみ、咳、肺炎。
・白血病ウイルス感染症:持続感染すると3年以内に80%が死亡。
 白血病やリンパ腫などの血液の癌、貧血、流産。
 感染から発症までの期間が長く、その間ウイルスを排泄し、他の猫に感染する。

混合ワクチンいっぱい種類があるけど何種を打てばいいの?

予防のことを考えれば、多くの種類が混合されたワクチンを打つにこしたことはないと
考えられますが、ワクチンアレルギーが出やすくなるのも事実です。
アウトドアで活動する機会が多いのであれば、犬であればレプトスピラ、
猫であれば白血病ウイルス、クラミジアのワクチン接種は有効と考えられますので、
それらを含んだワクチンの接種が望ましいです。
お住いの病気の発生率や生活環境に合わせたワクチンを獣医師とご相談ください。
また、副作用の観点からレプトスピラは12週齢以降、
猫白血病ウイルスは8週齢以降が勧められています。
加えて、レプトスピラはワクチン接種しても、免疫持続期間が短い(6-8カ月)と
言われていますので、アウトドアイベントに出かける1か月前や
発症が多い秋に合わせて初夏に接種するのも1つだと思います。
だだし、他の時期に感染しないとは言えません。
また、白血病ウイルス陽性の猫には白血病ウイルスを接種する意味がありません。
当院での取り扱いは、犬では5種と8種、猫では3種と5種です。
状態に合わせて選択しましょう。

病気にかかったかもと思ったら!

疑わしい場合はすぐ病院へ!
初期治療が生死を分けることもあります。
体力のない仔犬・仔猫の嘔吐、下痢、高熱、咳は要注意です。
同居のペットがいる場合は、同居の子の体調も良く観察し、別々に飼育してください。
予防していても感染して症状が出てしまうかもしれません。
衛生管理も重要で、吐物・下痢などがついた衣類・身の周りの物の消毒も大切です。
塩素系の消毒薬を噴霧・漬け置きしてください。

どんな副作用がでるの?

副作用の発生率はワクチンのメーカーによって異なりますが、
おおよそ1万頭に1-2頭くらいの割合です。
M.ダックスは他の犬種に比べてアレルギーが出やすい傾向にあるようです。
重篤なものになると、接種後30分以内にアナフィラキシーショックを起こし、
死亡することもあります。
アレルギー反応として、24時間以内に嘔吐・下痢、発熱・顔面の腫れ・蕁麻疹が出ることがあります。
他には、元気食欲の低下、接種部位の腫れ・痛みなどがあります。
これらの症状が出ましたら、病院に連絡を取り、獣医師の指示に従って下さい。
猫において、白血病ワクチンを接種することにより、ワクチン誘発性線維肉腫
(ワクチン接種後肉腫)などと呼ばれる腫瘍を起こす可能性があります。
この腫瘍が発生した場合、正常組織も含めて広範囲の外科的切除が必要になり、
断脚することもあります。
原因は白血病ワクチン(不活化ワクチン)に使用する物質が誘発していると考えられています。
発生時期は接種後3カ月から3年で、
発生率は1万頭に1頭ほど(データにバラツキがあります)といわれており、
ワクチン接種による病気の予防効果(80%)のことを考えると
外出する猫にはワクチンを接種することが望ましいと考えられます。

AAHAのワクチンガイドラインについて

欧米では、AAHAのワクチンガイドラインに基づき、
1年後の追加接種後は3年毎の追加接種でよいとされています。
「3年毎の接種」という言葉ばかりが先走り過ぎていますが、
個体により免疫持続期間は異なりますので、
定期的な抗体検査の必要性も同時に述べられています。
検査に費用をかけるかワクチンに費用をかけるかということになります。
動物の副作用のことを考えると検査に費用をかけた方が理想的ですが、
現実問題として検査費用の方が高価になりますし、
抗体価が低ければワクチン接種が必要になり、
さらに出費が増えてしまいます。
日本でも今後、AAHAに基づいた日本におけるガイドラインが設定されるかもしれませんが、
今のところワクチンメーカーは年1回の接種を推奨しておりますので
当院でも毎年の接種をお話しさせていただいております。
3年毎の接種をご希望の方はご相談ください。

長々とお付き合いいただきありがとうございました。

ワクチンに関する疑問は解決しましたでしょうか?
ご参考になれば幸いです。
ご質問等ございましたら、ご連絡ください。

豊福健
posted by rose-ah at 19:22| Comment(6) | 犬を飼い始めたら

7月29日のトリミング

プードルのアトムちゃんがトリミングに来てくれました。
緊張した様子はなくトリミング台の上でも大人しくしていました。
カットの時もちゃんと立っていてくれたのでカットがしやすかったです。

IMG_4275 (640x480).jpg

またのご来院お待ちしております。

トリマー内田
posted by rose-ah at 17:41| Comment(0) | トリミング日記