2012年01月16日

2月の臨時休診日

2月18日(土)は休診とさせていただきます。
よろしくお願いいたします。

院長 豊福健
posted by rose-ah at 15:14| Comment(0) | 今月の休診日と予定

痴呆について

あなたの愛犬が、もし痴呆になったら?
ふだんはなかなか考えないテーマですが、ペットも高齢化し、
けして避けては通れない話になってきました。
先日、友人から相談を受けて調べてみました。

痴呆になるもっとも多い犬種は柴犬。つぎが日本犬の雑種で、洋犬は比較的少ないと言われています(残念ながらまったくないわけではありません)。
老齢犬の治療とケアを専門的に行ってこられた先生の話では、犬の高齢化とともに痴呆は徐々に増えてきており、その数は90年代の終わりから飛躍的に伸びてきています。
また、高齢犬の飼い主には高齢者の方が多く、そのケアにかかる負担はとても大変なものになっています。
だからこそ、少し早すぎるかなというぐらい早めの心構えや対応が必要だと思います。

痴呆の「原因」は病気からくるものでは、脳の血管が詰まったり(脳梗塞)、血管が破れたり(脳出血)する脳の血管障害や脳腫瘍などがあります。その他にも老齢に伴い脳の神経細胞が減り脳全体が小さくなることで起こったり、人間で言うアルツハイマー病の原因と同じ「βアミロイド」という物質が脳内に蓄積することにより起こると言われています。しかし、詳しい原因はまだはっきりわかっていません。


痴呆の犬の「特徴」としては、

1 単調な声で吠える
 抑揚のない鳴き方は人間にはかなり耳障り周辺から苦情が出る
2 前にのみトボトボと歩く
 バックできる犬はまだまだ大丈夫、バックは高度な行動
3 狭い場所に入りたがる
 壁の隙間や廊下の隅、机の下などにもぐりこみ出られなくなる
4 同じ場所で旋回する
 グルグルまわる、ただし左回りは脳腫瘍の疑いが濃い
5 異常な姿勢で寝る
 ひっくり返ってアタマを下にして寝たりする、かなり無理な姿勢
6 自分の名前も飼い主の顔もわからない
 呼ばれても無反応、飼い主が来ても喜ばない
7 よく寝て、よく食べる
 ただし食べてもやせてくる、下痢もしない(自律神経が異常)
8 夜中に起き出して吠える
 飼い主が何をしても制止できない
9 直角のコーナーで方向転換ができない
 首をちょっと曲げるだけの動作ができなくなる

これらのほか、犬に特有なゆたかな感情表現もまったく見られなくなるそうです。
そして「習得してきたことの消失」、つまりそれまでに教えてきたしつけやコマンドを忘れてしまいます。
しかしながら、その半面、人間の場合にはけっこう深刻な尿の垂れ流しはあまりありません。
野生に近い動物である犬には、外敵から身を守るためニオイを残さないのと、自分の寝床は汚したくないという本能だけは残るためだと言われています。
また、視覚や聴覚が鈍くなっても、嗅覚だけは最後まで機能するケースが多いようです。

それでは、こうした痴呆の症状が出てきたらどうするか?
それについてはつぎのようなポイントがあげられます。

1 多臓器疾患をチェック
 肝・腎・甲状腺の病気、関節炎、ガンを併発していることがある
2 栄養失調をふせぐ
 食べているようで飲み込んでいないケースがある
3 散歩に出してあげる
 散歩ができればより長生きできる、草の中などを歩くと刺激になる
4 日光浴させる
 生体時計を活性化する、ただし夏の日中の散歩は逆効果、寒さにも注意
5 室温を調整する
 冬は人が暑いと感じるぐらいの温度(26〜27c)に設定
6 スキンシップを大切に
 頭から顔、首、背中とさわる手順を同じに
7 同じ人が管理する
 いつも同じ飼い主が管理する、別の人がやるときは同じ手順で
8 犬との接触もこれまでどおりに
 ぼけた犬に攻撃性はない、攻撃性があれば痴呆ではない
9 入院させない
 場所替えしない、悪化するだけ、自宅でケアするのが一番
10 特製のケージをつくってあげる
 風呂マット3枚を丸くつないだ自作ケージ「エンドレスケージ」を作成する
 行き止まりがなく、グルグル回れるので犬のストレスが軽減し、鳴きが減少する
 また、歩き疲れて眠ってくれる
11 嫌がることをしない
 無理に押さえつけたりすると暴れて事故のもとになる
12 床ずれは早めに処置する
 寝たきりになると床ずれができる、ひどくなると死に至ることも

痴呆を治すクスリはありませんので、うまくコントロールすることが大切です。
多くの研究により、EPA、DHAなどの不飽和脂肪酸が人間のアルツハイマーには有効なことがわかってきました。
EPAやDHAを豊富に含む「メイベット」(明治製菓)という不飽和脂肪酸のサプリメントを使って、夜鳴きがなくなる、顔に表情が戻ったなどの成果を得たとの報告があります。

EPAやDHAを積極的に与えることで、痴呆の進行を緩やかにし、ボケ防止にもなるかもしれません。
一度試してみる価値はありそうです。
また、メラトニンやクロミカルムなども効果的な場合があるようです。
鎮静剤(ジアゼパム、アセプロマジンなど)を使用することもありますが、外部刺激に鈍感になり逆に痴呆が進む場合があります。

いろいろ手段を講じてみても、最終的にはどの方法も有効でなくなる時がいつか訪れます。
やがてきっとくるその日のために、飼い主様ができることは、何があってもあわてず動じず、事実を事実として受け止めてしっかり対応すること。
そのためには、こうした予備知識をふだんから仕入れておくことが重要です。
それが、たくさんの深い愛情をくれた愛犬への恩返しになると思います。

院長 豊福健
posted by rose-ah at 14:53| Comment(0) | 病気のアレコレ豆知識