2011年09月10日

友人の日記より〜競馬産業に関して〜

こんにちは。kaoです。
長文になると思いますが、お付き合いいただけると嬉しいです。



今日はペットからは少し離れてしまいますが、同じ動物ということで、
「馬」の話題です。


先日報道された、荒尾競馬場が閉鎖になるという、以下のニュースをご存知でしょうか。
http://www.sanspo.com/keiba/news/110906/kba1109060507013-n1.htm

この報道が出たとき、私はある友人を真っ先に思い浮かべました。

出席番号が私の1つ後ろだった彼は、競馬が大好きで、大学卒業後は
公務員として働いていましたが、今はフリーの「実況アナウンサー」として活躍しています。

彼はアナウンサーになって初めての仕事が荒尾競馬の実況だったそうです。

現場で働く人の声として、一つの地方競馬場が閉鎖されることがどういう意味を持つことなのかを彼はブログに書いていました。

私は競馬について無知です。だから報道もそのまましか受け取ることができません。

彼のブログを読んで、一つの地方競馬場が今後の中央競馬や日本の競馬産業に影響するものだと
初めて知り、考えさせられました。

その日記を以下に転載させてもらいます。(友人には了承を得ています)



〜〜〜〜〜荒尾競馬、廃止・・・(友人の日記タイトル)〜〜〜〜〜

まさかこんなタイトルでの記事を書く日が来てしまうなんて。

当初は、「荒尾競馬存続の危機」というタイトルでこのブログ原稿を書き始めていました。
途中まで書き進めた所で、「今日9/5の荒尾市議会で市長が今年12月を最後に荒尾競馬の廃止を表明した」との報が飛び込んできました。


本当にもう何もかもが終ってしまう・・・。

寂しさや哀しさという言葉では言い表せないとてつもなく大きな喪失感に襲われました。

書こうと思っても、キーボードを叩く指がなかなか進みません。
この記事を書き上げてしまうと荒尾競馬廃止を容認することになってしまう気がして。



アナウンサーの世界に飛び込んで、プロとしての初鳴きをしたのがこの荒尾競馬場でした。自分にとってはアナウンサーの原点ともいうべき場所。

まだ公務員をしていた頃に研修で初めて訪れた荒尾競馬場。
そこはこれまで見てきた様々な競馬場のロケーションとは違った唯一無二の景色でした。

一周1,200mのトラックの向こうには、紺碧の有明海が広がり、大小いくつもの船が浮かびます。
お天気が良ければその向こうには多良岳、雲仙岳のシルエットが見え、長崎県の稜線をはっきりと見ることができます。

荒尾競馬場は、日本随一と言っていい海、山、空が見える風光明媚な競馬場です。
戦前の1928年に開場された荒尾競馬場は、現存する地方競馬場の中では最も古い83年の歴史を誇ります。
日本の競馬史にとっても間違いなく貴重な財産です。


九州は昔より馬産地として栄えました。
九州産馬のブランドは九州の馬事従事者の誇りです。
九州には、中津、佐賀、荒尾と3つの競馬場がありましたが、これで残りは佐賀競馬場のみとなってしまいます。

中津競馬場は2001年に突然廃止され、それを皮切りに廃止を躊躇していた全国各地の地方競馬場が次々と閉鎖されるという連鎖反応を起こしました。
当時、九州3場でタッグを組んで相互の連携を図ることが決まっていましたが、その矢先の中津競馬の廃止は、荒尾と佐賀に大きな影を落としました。

そして今度は、昨年から佐賀と荒尾で交流のシリーズを組むなどして危機を乗り越えようとしていた矢先の荒尾競馬の廃止。
佐賀競馬場の経営状態も危ういと聞きますし、今回の荒尾競馬の廃止が新たなドミノ倒しのきっかけになることが一番怖いです。



荒尾競馬に携わって4年。
経営が危機的状況と知りながら、ブログなどで表面的な応援などはできても、根本的な解決策なども思いつかず、ただいたずらに時間を過ごしてしまいました。

このままでは九州から馬文化が消えてしまう。
時代の流れと言ってしまえばそれまでなのかもしれませんが、何もできず、荒尾競馬存続に力添えできなかった自分の無力さ、行動力のなさに腹が立ちます。
 


競馬場が減るということは、馬が走る場所が少なくなるということですから、生産頭数の減少に繋がります。
それは強い馬が生まれるチャンスが減るということにも繋がるので、地方競馬の縮小は中央競馬のレベル向上と無関係ではないのです。

また、能力の高くない馬が走る場がなくなるということは、血統的に安価な馬しか生産できない小さな牧場がさらに閉鎖に追い込まれてしまうことにも繋がって行きます。

海外から新しい血統をどんどん導入できる牧場だけが一人勝ちし、日本古来の血統を守ろうと地道にやってきた牧場がどんどんと閉鎖に追いやられていく・・・それに拍車をかけることになる地方競馬の閉鎖。


それに対し、JRAとして(国として)何の対策も講じない日本の競馬産業。
近年のJRAは、国際化を推進しています。強い馬を作り出し、海外で活躍できる馬をたくさん輩出したいとする姿勢自体は反対しませんし、いいことだと思いますが、あまりに地盤を疎かにしすぎです。

ピラミッドの頂点をより高くしたい(世界の大レースで勝つ馬を排出する)のであれば、上だけではなくその支えとなる基礎をしっかりと固めなければならない(例えクラスが下の馬でもちゃんと走れる場所をしっかりと確保する)と思います。

このままでは、日本の競馬は今後疲弊し、衰えていくことは明らかです。

自分が人生を賭けてまでやり遂げようとしている大好きなものが、悪い方向へと進んで行くことに強い憤りを覚えます。


自分が競馬に対してできることとは?それがまだよく分かりません。
今はまだレース実況をすることだけに手一杯ですが、今後もっともっともっと競馬のことを勉強して、自分の大好きな競馬に恩返しをしていきたいと思います。

それが、消えゆく荒尾競馬へのせめてもの罪滅ぼしなのかなと思います。



荒尾競馬は残りまだ4カ月開催があります。
自分にできることを、着実に、精一杯、心をこめて。
今はそれだけです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

敢えて友人の文章をそのまま全て載せさせていただきました。
競馬を「産業」として捉えれば、採算が全てなのでしょうし、閉鎖せざるを得ないのでしょう。
このことに対して私は何か意見することはできません。

ただそこに関わり、競馬を愛し、馬を愛して集う人々の心情や伝統、
それは閉鎖することで絶たれてしまう。
そのことを知って、私はこの日記を転載したいと思いました。

転載を許可してくれた”きときと”ありがとう。
posted by rose-ah at 11:54| Comment(4) | ニュースより
この記事へのコメント
こちらのブログには初めて書き込みさせて貰います。

転載してくれてありがとう。
僕は競馬の世界の方へと進んだけど、人と動物がどう関わっていくか、動物にとってよりいい環境を作るために人がどう頑張るかという点ではペット界とも変わらない部分なんじゃないかと思います。


競馬界がもっと良くなっていくためにはという考えで、これからも伝え手としてもっと頑張っていきたいと思っています!

関東に行くときには、一度病院に遊びに行かせてもらいますね(^-^)b
Posted by きときと at 2011年09月12日 09:23
きときと、コメントありがとう!

私は多分、きときとを知らなかったら「競馬=賭け事」というイメージでしかなかったと思います。

実習中の話や、一度遊びに行かせてもらったきときとの家で、2台のテレビで録画したレースを再生しながら実況を聞いていたりするのを見て、こういう関わり方があるんだって知りました。

夏堀先生も今、福島で被災した家畜を継時的に調べることで放射線の影響を調べたりしているよね。

獣医っていう職業、狭い世界だけれども必ずどこかで私たちの生活に関係しているんだね。

伝え手としての活躍を祈ってます!!
そしてこちらに来るときはぜひ遊びに来てね。
Posted by kao at 2011年09月13日 13:19
競馬場廃止を拝見し

運転ができないコンプレックスから、乗馬を習いはや四年目。 時間もお金もないから、技術はイマイチ!!
しかし馬とは、なんと美しくエネルギーに満ちた生物かと、いつも癒され心のサプリにしています。

馬は人の心を読み、人の役にたつ事に喜び、それはオートマチック車では感じられない感動を私に与えてくれます。

荒尾競馬場の馬たち…第二第三の人生をどうか誇り高く、どうか幸せに生き抜いてほしいです。
Posted by ミュウミュウ母猫 at 2011年09月18日 20:03
ミュウミュウ母猫さま

そうですね、乗馬も動物介在療法の一つとして行われていますが、
その理由は生き物だからこそ与えてくれるエネルギーがあるからなのでしょうね。

私の好きな馬のポイントは、上唇の柔らかい部分・・・って理解してもらえますでしょうか??(笑)

どんな生き物であれ、命あるものすべてが、人の都合によってその運命が左右されることのないよう、私も願っています。
Posted by kao at 2011年09月20日 18:19
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