2012年06月19日

関節疾患について

加齢とともに増加する病気の1つに関節疾患があります。

1歳以上の犬の20%は変形性関節症であると言われています。
変形性関節症とは、年齢と共に関節の軟骨がすり減ったり、なくなったりすることで骨が露わになったり関節の形が変わったりする病気です。
そのために、関節がこわばったり、腫れたり、熱を持ったりして動かしづらくなります。
このような関節は動かすと激しい「痛み」を伴うことがあります。
変形性関節症は進行性の病気です。

犬の関節炎は8歳以上での発生が多く、約80%を占めています。
関節炎は小型犬(<7.5s:27%)、中型犬(<20s:28%)と比べ大型犬(>20kg:45%)で多い疾患です。
猫では7歳以上の34%、12歳以上の90%は骨・関節炎を患っているという報告があります。

関節炎の悪化因子は年齢、体格、肥満、外傷、高活動量(成長期)、遺伝的要因などがあります。

変形性関節症の症状は、
@歩き方がおかしい
A関節部分を繰り返しなめる
B運動前後の動きがぎこちない
C食欲が低下する
D性格が変わる(触ろうとすると唸る)
などがあり、炎症による痛みに起因しています。

変形性関節症の関節内ではクッションの役割をする関節軟骨が減少し、
骨同士がぶつかりあうことで炎症を起こし痛みを生じます。
ですので、変形性関節症の治療は
@炎症(痛み)の軽減
A患肢の機能回復
B関節軟骨の再生
が重要となります。

関節炎の治療は消炎剤、適度な運動・リハビリ、食事療法などを合わせて行います。

炎症(痛み)軽減のためには消炎剤の投与を行います。
また、痛みが緩和することで活発になり、逆に関節に負担をかけ状態を悪化させる場合がありますので、
状態に合わせた運動プログラムが必要です。
痛みのため使用しなくなった患肢の機能回復のためにリハビリが必要になることもあります。
食事による関節炎の管理として大切なのは、
炎症(痛み)を軽減する成分(抗酸化物質:ビタミンE・C、脂肪酸:EPA・DHA)や
関節軟骨の再生を促す成分(軟骨基質成分:グルコサミン・コンドロイチン、
軟骨再生に働く酵素に必要なミネラル:亜鉛・銅)の摂取することです。
これらの成分は関節サプリメントで補ってもよいでしょう。

その前に、これらの治療と合わせて重要なのが体重管理です。
肥満の場合は積極的な減量が必要です。
なぜなら、肥満と関節障害の間には悪循環のループがあるからです。
肥満であることは関節の障害(自然発生率の1.7倍)を引き起こし、活動量の減少につながります。
動かないということはエネルギー消費量が減少し、肥満につながります。
この悪循環ループにより、さらに症状が悪化します。
肥満の場合は綿密な減量計画を立てて、安全なダイエットをしましょう。

最後に、動物病院では、多くの犬が緊張や興奮からいつもとは違う行動をとることがよくあります。
たとえ肘や膝に痛みがあったとしても緊張したり興奮したりしていては、その「痛み」を見つけることが難しくなります。
四肢の障害は、ある程度長い距離を歩いたり早足で歩いたりすると見つかることもあります。
そのほかにも、階段の上り下りや座ったり寝たりするとき、あるいは、立ち上がるときの動作で異常が見つかることもあります。

これらの異常は病院よりも家庭で見つかることが多いので、普段から態度や行動を注意して見てください。
少しでも普段と違った様子が見られたら、すぐに動物病院に相談してください。
愛犬・愛猫を「痛み」から少しでも早く解放してあげるために。

院長 豊福健

posted by rose-ah at 18:09| Comment(0) | 病気のアレコレ豆知識
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